044:南。
真新しいダイノガッツの反応に
「エヴォリアンに動きが!」
アスカが叫んだ。
早々に動き出した敵に、先手を打つべく
万一の場合も考え、らんると凌駕を基地へ待機させ
幸人とアスカは樹海へと向かった。
「・・・ここも二手に分かれた方が、賢明だな。」
新月の夜
真っ黒に広がる森を見上げて
冷静に幸人が判断を下して。
「俺はこっちから周って行く。」
小さく灯したライトの下
広げられた地図の上をなぞり
「では、私はこちらから。」
お互いのルートを確認する。
「時間が無いからな。急ぐぞ。」
「えぇ。」
作戦決行の刻。
生い茂る木々の前に立って。
「どうかご無事で。」
「あぁ、お前もな。」
お互いの顔を見合って、肯く。
それが、合図のように。
二人は背を向けて
闇に紛れる様に走り出した。
ハァ、ハァ。
聳え立つ大木の1つに、背を預け
アスカは額に浮かぶ汗を拭った。
足を休める事無く走り続け
目的地はもう目の前に。
『日の出と共に、同時に攻めるぞ。』
夜明けまでは、まだ少しある。
上がった呼吸を落ち着かせるように
アスカは空を仰ぎ
「!」
見上げたまま、言葉を失う。
塗り潰したように真っ黒の
南の空に、1つだけ。
浮き彫りにされたように
煌々と輝く紅い星。
見えた者に、不吉な事が起きる
言い伝えられ、忌み嫌われてきた存在。
「こちらの世界で、見えるなんて。」
ざわざわと胸が落ち着かない。
漆黒に、1点だけ輝く不吉な星。
燃え上がるような紅さに
ゾクリと背筋が震えた。
新シリーズ(?)開始です。
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