Greco GOll700(J78)

1978年9月期出荷のギターだが、一目見て分かるようにT.S.ビブラートを持たない特徴がある。この仕様についてもカタログ掲載があるので参考にしていただきたい。組み込まれているのはテンション・アジャスター・ブリッジというユニットだ。現物も数少なく、通巻番号のカタログに掲載がないので馴染みが薄いだろうか? 木部に目を向けるとボディはセン。ネックはメイプル/マホガニー、指板はローズウッドになっている。重量は弦を含んで4.1kgと計測した。

GOの戸籍簿」では、GOllについて前期/後期の区別をしていない。生産された期間が短く、アーム・ホルダーとバックパネルに変遷が見られるものの、木部には顕著な変更点が見られないからだ。このギターではアジャスター・カバーが金色だが、これについては規則性なく使われているようで、特定の傾向を把握できないでいる。交換・流用が容易な部品なのが悩みの種だ。しかし本機の製造番号や1978年11月19〜20日の「NEWモデル選考・楽器フェア」を睨み合わせると、「選考型GOll」という区分を定義すべきなのだろう。

イベントで配布されたと思われるカタログは、相当に急ぎの制作だったようでSVとSWは写真が間に合わなかったのが分かる。またGOll750については、リア・ピックアップの取付角度が市販型とまるで違う。これは「採用されなかったプロトタイプ」を撮影したものだろう。イベントの開催日時を考えれば、展示公開可能なギターは普通に考えて「K78」のものまで。頑張ったとして「L78」までだろう(出荷予定時期を表す製造番号は20日締めと聞く)。事実、ブローラーの第1生産期分は「K78」と「L78」の製造番号に集中する。

この時期のGOllを探を調べてみると誠に興味が尽きない。「GOの戸籍簿」に収録したGOll700RT(L78)や資料の2台(ともに「J78」)に加え、「Japan Vintage」に掲載されたGOll700RTも「選考型」に相当する期間の製造と考えられる。まだまだ統計サンプルが少ないが、初期出荷のギターはGOll700ばかりが目立つ。「選考」の結果を反映しGOllが大量に流通するのは、これらよりやや遅いと確信する。「選考会」の直後に納められたと思われるカタログでもGOll750の様子はかなり怪しい。初期のGOllは量産期のものより、ブリッジがボディ・エンド側に寄っていてギター全長が2センチほど短い特徴も見逃せない。






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