[ TENDER SKY ]   第一章 (Looking for Something)


  -story number 25-  SIDE ディスタ   [ 近づく闇 ]



「どうだ…進んでるか?少しは休まんと体がもたんぞ」


親父が、呆れたような心配するような様子で部屋に入ってくる。



「ああ、ちょうど少し休んでたとこ」


ほれ。と温かいお茶をさしだす親父。


「ども」



湯のみから、湯気があがる。

ずずーっとのどに潤いを与える温かいお茶。

お茶はいい。

少し濃くいれて渋みの効いたぐらいが、好きだった。
ほっとするのと同時に、思考がスッキリとしていく。



「なぁ、親父さんよ。俺って召喚術の素質あるんかな?」


ん?っと眉をつりあげ、質問の意味を探るような表情をみせつつ、
親父は、ニヤりと笑って言った。


「なーにを、憎たらしいことを言ってる。
 お前は、このお親父さまには、まーだまだたどり着けんよ」


頭をバンバンと叩かれて、手に持ったお茶がこぼれそうになる。

おとと。


「憎たらしいついでに言っとくけどさ…
 もうすぐ、親父さん抜いちゃうかもしれない」



フンッと、頭をつつきながら、どこか嬉しそうに笑う親父。


「まったく、嫌な息子だよ。親をもっと尊敬しろっての。
 まぁ〜、俺の子だしな…いつかはそんな日もくるだろうがな」



ずずーっと、お茶を飲み干す。


「まぁ、なんだ。適当に休みとれよ」

そう言い残して、親父は鼻歌まじりに部屋をでていく。








召喚術には、何か別の側面のようなものが隠されている。

これはほとんど、確実だ。



自分の創るイメージを超えた物体が召喚できるという点。

召喚時に込めた魔力からは考えられない時間、
この2つの書物が、俺の手元に存在し続けているという点。


それらの点から考えると、だ。

どこか別の場所に元々あった物体を、手元に移動させた?


これはそういうことなのだろうか。


誰も知らないのか、それとも意図的に隠されている事実なのか。



呼び出してしまった書物の内容も気になった。

歴史書らしきその書物を、
読み進むにつれて、その内容に驚かされたのだ。


この世界が「何か」によって過去に一度、”滅んでいる”という記録。


語り聞いたことすらない歴史。


何かしらの作りもので、創作物の一種、
いわゆる、偽の歴史書というオチもありえるが。

それもまぁ次の決定的な一歩で、全てわかることだ。


危険な領域に足を踏み入れてしまうのではないかという小さな恐怖もあったが、
隠された何かを知ろうとしている高揚感が、それらに勝っていた。



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