ZERO SECOND STORY 20





 カルラ:「・・・・ん・・・・・?あっ、ヤバイ!!あたし寝てた!?」


 自室のパソコンの前でつっぷしたまま寝てしまったらしい。

 時計は4時すぎを指している。
 最後に記憶に残る時計は、確か2時半だった。
 

 飛び起きて、ふと気付いた。
 背中に上着がかけてある。おそらくテツのものだ。
 

 カルラ:「ひっどい!!寝てたの気付いたんなら起こしてよ!」


 文句を言いながら上着をたたみ、
 パソコンのスイッチを入れた。
 

 さっきは長い夢を見ていたらしい。
 1時間以上も眠ったのに疲れている。
 何の夢かは覚えていないが。


 (あ!思い出した・・・・テツの誘い文句)



 <・・・俺はキミ達のことを気に入ってる。
  俺の街に来て、俺の街で働いてほしい・・・・・
                  俺のものになってくれ>



 (・・・ま、思い出したからどうってこともないんだけどね)




 さて、今日はテツを含めたいろいろなアーティストの
 公式ホームページの点検をせねばならない。

 ちゃんと機能しているか、ファンが見て楽しめるか、
 定期的に更新しているか、マンネリ化していないか、等々。

 もちろんカルラが管理人ではなく
 どのサイトもちゃんとした管理人はいるが、シャマンは要は管理人の管理人。
 言うなれば教師と校長の立場であって
 たまに各クラスを覗いて見るのは当然の仕事である。

 ちなみにカルラ達が来る前はほとんどジャマニータがやっていた。


 まずはテツの公式サイト『VIEW-T.COM』から。
 (これはテツのアーティストとしてのファン向けサイトであって
  王としての政治サイトは別にある)

 
 カルラ:「・・・うん・・・・ちょっと前に更新・・・・
      掲示板もにぎやかだし・・・情報提供もできてる・・・・
      あ、鉄部屋・・・・・・・・・・・えっ!?」


 鉄部屋というのは、テツ専用の書き込みページで
 主に近況報告などに使われる。・・・・・はずのものだ。

 カルラは書き込みを見て凝固すること数秒、
 すぐさま立ち上がってテツの部屋にダッシュした。

  

 テツ:「お、来てる来てる!電話番号。
     どの娘からかけよっかな・・・・・
     よし、この娘にしよ!えっと、080−543−・・・」


 バァンッ!と威勢よくテツの部屋のドアが開けられ、
 思いっきり不機嫌顔のカルラが入ってきた。


 テツ:「ぅあっ!?カルラ!!」

 カルラ:「ハ〜ァ〜ン〜〜〜!!!なんですかあれは!!」

 テツ:「あ・・・・・・な・・・何?」


 カルラ:「鉄部屋のあの書き込みはなんだって聞いてるのよ!!
      『今すぐ俺にだけ電話番号教えて!
       ネットナンパ大会開始!』ですってぇ!?
      冗談も休み休みやってください!!!」

 テツ:「だっ・・・・だってさぁ、また脱走して遊びにいったら
     シャマンも迷惑だろうし・・・・・・・
     なんか、自分で工夫して遊びを発掘してみようかなって・・・」

 カルラ:「じゅーーーーぶん迷惑ですっ!!
      アナタ自分の立場判ってんですか!?
      こんなこと許されるわけがないでしょ!!」

 テツ:「・・・・あ・・・う・・・・ごめんなさい・・・・」

 カルラ:「ごめんで済んだらシャマンはいらないんです!
      さあ、さっさと訂正謝罪文を書きなさい!!」

 テツ:「はぁーい・・・・・」

 
     

 ま、なにはともあれ
 今日もゼロシティーは平和である。


                       THE END 



     


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