コンビニと夕暮れ、そして思い出



はぁ、白い息を広げ、しけたアパートのドアを開け、寒々とした世界へ足を進める。



コンビニと夕暮れ、そして思い出



午後四時。通りに人はいない。
まだ人が外に出ていておかしくない時間なのに、人が居なくて気にならないのは多分ココが田舎だからだと思う。
1キロ先にチョコンとあるコンビニを目指して、冬に似合わぬサンダルをカラカラと鳴らしてもう5分前に家を出た。
周りの景色はずーっと変わらず田んぼのままだ。
ま、特産物が米だしなあ…とつまらない事を考えていると、ここらへんに唯一ある自動販売機が見えた。
煙草にジュース、お酒にいらんものまで…選り取り見取りな自動販売機の中でジュースを選び、何でこの時期に冷たい飲み物があるんだろう?と想いながら暖かいコーヒーを買い、プルタブを開けた。
広がり、水蒸気になって消えていく湯気を眺め、ゆっくりとコーヒーを一口啜りまた歩きはじめた。


ウィン。電子音が鳴る。
それと同時に座り込んでラーメンをすすっていた店員がガタンと立ち上がり焦って「い、いらっしゃいませー」と言う。
ココ自給良いの?とかそんな店員に苦笑しつつも、まずは雑誌の所に向かった。
いつも買っている週刊の雑誌を手に取り、パラパラと流し読みして下の方から取る。
店員がこっちを見たような気もしたが、気にしない。
その他の雑誌や単行本をドサドサとカゴに入れ、そのまま雑誌のコーナーを通り過ぎた。
たまには酒でも飲むか?と思ってチューハイの缶をくるくる回して考えてみたが、明日がバイトだと言う事を思い出してやめた。
二日酔いで苦しむのが目に見えたからだ。
代わりに麦茶をつかみカゴに入れて、そのままお菓子を何個かカゴに放り込む。
ついでにカップ麺もん何個か。
このくらいでいいか?と一つ息を吐き、レジで清算を済ました。
さっきの店員はカップ麺を食べ終え、さっきと同じくらい焦って気まずそうにレジを操っている。
ピ、と言う電子音と同時に合計金額が増えていく。
2つになってしまったビニール袋に少し買いすぎたか?と思いつつ2つの重みに体を傾けてよろよろとコンビニを出た。


外に出ると良い感じに日が傾いていて、それと同時に寒さも良い感じに増していた。
上を見上げると田舎特有の夕日が広がっていた。
田んぼの脇の土手を、砂利を蹴りながら歩いて、時々上を見上げ夕日を見る。
コンビニで買った暖かいコーヒーを啜りながら、はぁ、と白く暖かい息を吐き出す。
たまには違う道を歩いて帰るか…と思って小さな道を右に曲がってみる。
少し歩いていると、小さい川が見えた。
ああ、こんな所に川があったのか…と思って川岸に腰掛けてみた。
ふぅ、と息を吐いて、まだ半分くらい残っているコーヒーを啜った。
なくなったコーヒーの缶をビニール袋に入れて、手を土手につき上を見た。
夕焼けの光が反射して川がキラキラ光っている。
その綺麗さが昔無邪気に遊んでいた自分を思い出させて、少し懐かしい気分になる。
そのままボーっとしていると、急に大きく欠伸をしてしまい、我に返り自分に苦笑した。




はぁ、とまた大きく息を吐き立ち上がる。
日が暮れそうな空と相反して輝きを無くした川を見て、また、いつか来ようと思った。













































































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