3泊4日の修学旅行の1日目の夜。 部屋には、朝から騒いで疲れた俺がひとり。 ベッドに寝転がって、明日行く予定の場所のパンフレットを眺めている時、確かに聞こえた音。
修学旅行
コンコン コンコンコン 窓をノックする音。 俺はベッドから勢いよく起き上がって、窓を見る。 カーテンを閉めてあるおかげで、ここから外は見えへん。 いや、見えないから余計怖いんやけど! ちょっと待てや。落ち着け、俺。ここは、5階やで? 隣の部屋のベランダとはちょっと離れた造りんなってるから、伝って来るのも無理やし。 なんでこんなとき、大倉お風呂入っとんねん! むっちゃ怖い。 けど、気になる。 あぁもう、どーしよ! ・・・。 よし、開けてみるか。 妙な火照りが全身を襲う。 つばを飲み込み、意を決してカーテンに手をかけると、ベッドサイドに置いておいた携帯が鳴る。 「・・・!!?」 うおぁぁぁ!! なんやねんこんなときに! めっちゃドキドキしてるわ俺! 逸る心臓を押さえて携帯を手に取ると、着信中の文字。 着信? 携帯を開くと、ディスプレイに表示されていたのは「」の文字。 ? なんや、こんな時間に。 そんなことを思いながら電話に出る。 「もしもし?」 「章大、今どこ?」 いやいや。 今どこ、て。 「今どこって、点呼終わったばっかりやし、部屋にいるに決まってるやん。」 「部屋? じゃぁ早く開けてよー!!」 そう言って電話越しに聞こえてくる、ドンドンという何かを叩く音。 それと、同時にまた叩かれる部屋の窓。 ・・・まさか。 慌てて携帯を閉じて窓に駆け寄ってカーテンを開けると、そこにおったんはやっぱりやった。 「ちょ、何してんねん!」 「あはは。同室の友達、彼氏と夜のデートに行っちゃったからさー。」 「めっちゃビビったわ!」 よっこいせ。とか言いながら、部屋に上がって俺のベッドに座る。 「え、なんで? 、どっからきたん?」 「あー、あたしの部屋ね、章大達の部屋の真上なのよ。」 「うん?」 「で、ひとりじゃ暇だし遊びに行こうと思って。」 「どうやって?」 「ベランダにおいてあった非常用はしご使って。」 ほら、あれ。と言って指差す先には、俺の部屋に備え付けてある非常用はしご。 ・・・なんちゅーことを。 呆然としている俺を見て、爆笑する。 そこにカチャリと戸を開けて、風呂から出てくる大倉。 「あれ、なんでおるん?」 「おー、大倉こんばんは。お風呂上りセクシー!」 「え、ほんまに?」 「はだけた胸元がたまんねぇな! その浴衣だっさいけど。」 「仕方ないやんホテルの備品なんやからー。」 ・・・。 なんで大倉、そんな普通やねん。 もっと疑問持とうや。 色々おかしいやん。 おかしすぎるやんこの状況。 俺こんなに疲れきった顔してるやんか。 はなんか無駄にテンション高いやんか。 「よし。みんなそろったことだし、飲もう!」 「酒なんかないけど?」 「うん。あたし飲めないし。」 「え、じゃぁ何その袋?」 「コーラ。」 大倉がの持っていたものを指差して言うと、コーラが入っているビニール袋を見せる。 もう、突っ込むのやめよ。逆に疲れる。 「俺、お菓子なら持ってんで。」 「よし、それおつまみ決定!」 「ほら、やっさんもコーラ持ってー。」 「・・・ん。」 「「 カ ン パ ー イ ! ! 」」 「・・・乾杯。」 まだこれ、修学旅行1日目やのに。 こんなに疲れきってて大丈夫なんやろか。 明日からやっていける自信ないわ、もう・・・。 それでも俺らの夜は、まだまだ長いみたいです。 安田は優しいだけじゃない。ビビリでもある。(・・・。) 少し実話交じり。 ちなみに、非常用はしごは非常時以外は使ってはいけませんので悪しからず。笑 061125 TOP